全く "いかなご"はどこへ行ってしまったのでしょうか?ここ垂水の春の風物詩といってもいいくらい、春先をいろどるはずの"いかなご"。毎年この時期になるとお祭りさわぎになるくらい"いかなご"で盛り上がるのですが、今年は異変が起きました。
"いかなご"が獲れないではないか。水揚げは年々減少傾向にあり、そういう兆候はあったみたいなのですが、ついに恐れていたことが現実に・・・。 獲れない、少ない、だから値段が上がる。今年は水揚げが昨年の半分以下、値段は高いときは倍以上という例年にない品薄、高値状態になってしまいました。
このまま年々少なくなり、大衆魚であるはずの"いかなご"が高級魚扱いになってしまうのでしょうか。
とても心配です。
「こんなもん"いかなご"の値段やないわ。白魚の値段や。」
とは魚屋さんのぼやきです。
原因はいろいろ考えられるそうで、まずはなんといってもここ2~3年の乱獲で子を産む親魚が極端に減ってしまったこと。
それ以外に昨年の漁船の衝突事故の影響も少なからずあるみたいで、あとは天候不順などによる海の環境変化も考えられるそうです。しかしなんといっても捕り過ぎが一番の原因。
ほんとになんてことをしてくれたんだと漁業関係者を責めるのは簡単ですが、でもよくよく考えるといっぱい取れるのをいいことにたくさん買って、たくさん炊いて、たくさん食べちゃってたのは他でもない私たちなんですよね。やはり限りある資源は大切にしないと、という事でしょうか。少し反省しないといけませんね。
そんなわけで今年は"いかなご"を手に入れるのもひと苦労だったのではないでしょうか。うちの母親もくぎ煮を炊くのに、誰もが欲しがる小さい小さい幼魚がなかなか手に入らず今年初めてやっと手に入れた大きめのやつで炊いたそうです。うちにも送ってくれたのですが、味はまずまずおいしかったです。
そしてテアクチも"いかなご"イタリアン、確かに生の"いかなご"が手に入らず苦労しましたが、旬のものですからメニューにのせました。
"いかなご"のガーリックオイルフォンデュです。
スペイン料理のアヒージョという小エビをにんにくのオイルで炊いたタパスからヒントをもらって作りました。
それをパスタ料理にした
"いかなご"のスパゲッティ アリオオーリオ ペペロンチーノです。
塩味だけでおいしいシンプルパスタの王道でございます。
他にもトマトソースベースにしたもの、"いかなご"のオムレツなどやりました。"いかなご"イタリアン、多くの反響を期待したのですが、まあこういう状況もあり、あまり盛り上がることなく、今季いかなご漁の終了をもってメニューから姿を消しました。
来年は垂水の海に"いかなご"が帰ってきてくれますように。大切な資源を守るために、
乱獲はやめましょう。海を汚さないで。自然の影響はもう仕方ないにしてもこの2つは私たちの努力でできることですよね。
この先もずっとずっとおいしい"いかなご"食べ続けたいですもんね。
シェフ 村上 孝之
テアトロ クチーナ http://www.teatro-cucina.com